木次線奥出雲おろち号

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 久しぶりに、思い出したように6月の旅の話。

 三江線を乗り終えた僕らは、備後落合から木次線へ向かった。

 出雲坂根の三段スイッチバックを越えるトロッコ列車、「奥出雲おろち号」だ。

 JR西日本で最も標高の高いところにある三井野原駅(標高727m)から、隣の出雲坂根駅までは、地図上の直線距離では1.4km弱。しかし標高差は160m以上もある。そこで、線路は大きく迂回して距離を稼ぎ、狭い谷で二度も方向を変えて、この標高差を乗り越える。スイッチバックの面白さもさることながら、三井野原での、いかにも山のてっぺんから見下ろしているといった風情の車窓は、格別だ。

 というわけで、この区間は、僕がiPhoneで撮影したYoutube動画でどうぞ。木次方面行き列車で山を下るのは、実に22年ぶり。峠は登るに限る……と思っていたが、下りの凄まじいブレーキ音も、頑張っている感ありありで、なかなかよかった。ちなみに、後ろでごちゃごちゃ喋っているのは、僕の仲間だ。

 スイッチバックばかりが注目される木次線「奥出雲おろち号」だが、それ以上に印象的だったのが、車内販売のおばちゃんだ。出雲横田の業者さんが入っているそうだが、地元産の唐辛子やお弁当など、ひとつひとつの商品に愛着を持っていて、話しているとつい、もうひとつ、もうふたつと買ってしまった。

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 JRの中でも、特別経営が厳しい木次線だが、「奥出雲おろち号」は、いつまでも元気で走ってほしい。