ウィークエンドパス

 先週末で、長年親しまれたJR東日本の「土・日きっぷ」が廃止され、今週からは、新しいきっぷ「ウィークエンドパス」が発売になる。

 連続する土曜・休日の2日間有効のフリーパス。大ざっぱに言えば、JR東日本のうち、宮城県・山形県以南の全線が、2日間乗り放題だ。福島まで往復すれば、元がとれる。

 これまでの土・日きっぷは、フリー区間はだいたい同じだったが、新幹線を含む特急列車に乗ることができた。指定席も4回まで利用できて、1万8000円。一方、ウィークエンドパスは、乗車券のみのフリーパスで、8500円だ。ただし、特急券を購入すれば特急列車にも乗車できる。

 特急にたくさん乗ると、それだけ特急料金が必要になる。そのため、土・日きっぷからウィークエンドパスへの移行をサービス後退と見る向きもある。例えば、山形-東京を往復した場合、土日きっぷでは1万8000円で済んだが、ウィークエンドパスを利用すると、1万9000円かかるようになった。

 しかし、冷静に考えると、ウィークエンドパスはなかなか面白いきっぷだと思う。

 土・日きっぷと同じ発想で利用すると、確かに割高になるが、「特急券を買えば特急にも乗れる青春18きっぷ」と考えれば、いろいろな使い方が可能になる。

 たとえば、こんな旅。

 上野から在来線経由で上越線を北上し、小出から只見線へ。会津若松などで一泊し、翌日「SLばんえつ物語号」を利用して、新潟から新幹線で帰ってくる。

 このルート、普通にきっぷを買うと、運賃・料金の合計は1万8560円。青春18きっぷを2日分使って、帰りの新幹線を別に購入した場合は、1万5380円だ。これが、ウィークエンドパス利用なら1万3820円で済む。

 普通列車の旅をメインに考え、疲れる帰路などだけをピンポイントで特急を使えば、青春18きっぷよりも安く、さらに快適な旅が楽しめるというわけだ。

 土・日きっぷと異なり、出発当日でも購入できるというのも、使いやすい。

 より近場の旅なら、「ツーデーパス」があるし、「首都圏からの1泊2日旅行」については、青春18きっぷの価値はだいぶ減ってきているような気がする。

 近いうちに、一度「ウィークエンドパス」を使ってみよう。

コメント

  1. うえしょう より:

    私もウイークエンドパスは使いやすくなったと感じています。
    北陸方面から東京に行く場合、土日きっぷだと直江津で特急券も分断されてしまうところ、これからは通常と同じ越後湯沢での乗継割引で買えるのが嬉しいです。
    難点は、直江津まで行かないと買えないところでしょうか。けど、きたぐにで直江津に出るなら買えたりします
    (6時発の越後湯沢行きに乗るには乗り換え時間がなさすぎますが)

  2. かんりにん より:

    なるほど、北陸からの利用だとそういうこともあるんですね。
    きっぷに割引券付けて、たくさん乗るほど特急料金が割引になるとか、そういうサービスやってくれないかなあ。

  3. dolchen より:

    わたしも使いやすくなったと思います。わたしは、「えきねっと」の会員なので、指定券をネットでとりますが、今までの土・日きっぷは窓口にいかないと指定券を引きかえられませんでした。
    今度は特急券は普通に券売機でも引き取れるようになるし、えきねっとの割引もきくので値段も東京・仙台の往復だけならかえって安くなります。

  4. たこ より:

    青春きっぷはこんなに値段が高くありません。 えきねっとは利用者が限られていますし、やはりこのきっぷは実質のサービスダウンと捉えざるをえないでしょう。

  5. かんりにん より:

    青春18きっぷは、ウィークエンドパスの発売後もこれまで通り販売していますから、この場合無関係です。
    えきねっとの利用可能者がそれほど限定されているとは言えませんし、土日きっぷと異なり当日でも購入できるという利点もあります。
    便利になった面もあれば、不便になった面もある、というのが適切と考えます。

  6. たこ より:

    当日でも購入可能というのはウィークエンドパスの数少ない利点だと思います。しかし土日きっぷのように自由気ままに特急などを乗り降りは出来ませんし、詳しくなければピンポイントで特急利用を考えるのは大変です。新幹線特急乗り放題というのは分かりやすく、鉄道に詳しくない人にも大変訴求力があると思います。 全車両ロング 短編成化 やたらと系統分断 接続は悪い という東日本の普通列車では旅なんてする気にはならないでしょう。 結果として鉄道離れにならないかと危惧している次第です。

  7. ota より:

    私も以前は土日きっぷを愛用していました。
    しかし、このウィークエンドパスに代わってからは、別に東北まで行きたいと思わなくなりました。
    ・・だって特急を使うたびに特急券を買わなければならないなんてボッタクリじゃないですか?
    明らかにサービスダウンだと思いますよ!
    とくに乗りテツには!!
    だったら特急用と普通列車用の2種類用意すればいいでしょう。JR北海道ではそのように分けて売られています。

  8. かんりにん より:

    たこさん、otaさんのような意見もあれば、うえしょうさん、dolchenさんのような意見もあるということですね。鉄道ファンの方が必ずしも否定的でないというところが、一層興味深いです。
    特急乗り放題のきっぷも、それはそれで便利だし魅力的ですが、どちらも一長一短という僕の意見に変わりはありません。
    今、一般の方向けにきっぷの記事を作っていますが、ウィークエンドパスはさまざまなプランに使える面白い商品と実感しています。一方で、特急にたくさん乗りたい乗りつぶし派の方にとっては、確かにサービスダウンですね。

  9. もょもと より:

    えっと、あまりに視点が偏りすぎているので、結論から土・日きっぷからウィークエンドパスへの移行は「サービスダウン」です。
    まず、一番魅力だった新幹線自由席にたとえ立ってでも使えることがかなり意味を持つことを無視しすぎです。まず、値段を主軸に置きます。土・日きっぷならできたことを書きます。
    たとえば、推奨される使われ方かは別として、新潟から東京まで1往復という使い方はできませんね。ほかにも、東京を起点として、同じように仙台まで土曜日に往復、日曜日には長野か直江津まで往復といった手段がとれませんね。
    それに、安中榛名駅のように、一度は行ってみたい駅に、特急券を利用すると相当ロスが大きいですね。軽井沢か高崎から乗る以外に方法がありませんね。しかも、最大の問題は、あらかじめ特急券が必要ということです。
    さて、この「あらかじめ特急券が必要」という軸で考えれば、たとえば、グリーン車より安いどころか、無料で乗れる踊り子に乗って、横浜まで移動ができなくなります。同様に、フレッシュひたちで柏から混雑を避けて、グリーン車を待つことなく乗ることができなくなりますね。いずれもあらかじめ用意しておくというのが相当の時間のロスとなります。また、気ままに経路を変えてみようということができませんね。これは青春18きっぷだけを主軸と考えたときに、一番良い点であった「特急でそれができる切符」と考えたら、どう考えても自由度が下がっていますね。
    これでも、ウイークエンドパスのほうがよいというのは、どう説明できるのでしょうか。それに、クレジットで支払いを行う人もいますし、仮に現金でも、いちいち混んでいるかもしれない窓口か特急券等も買える券売機に並び、きっぷを買うわずらわしさをどう解決するのでしょうか。きままに移動ということが、高速で移動できるということをきっぷ一枚でできたことから考えて、ウイークエンドパスを支持するというのは、理解に苦しみますが。それに、富山から越後湯沢までは、乗車券は別であるため、特急券だけが高くなったとは思いません。乗り継ぎを考えれば、2つの指定席を利用しなくてはならない(指定を使うなら)ということを考えれば、使い方が下手なだけとしか思えませんが。
    正直言ってしまえば、頭を使えば土・日きっぷは自由度の高さからその切符を使う技能が問われます。それをただ、それが面倒くさいから支持しますとしか見れないのですが。事実、宿代を浮かすために新幹線という高速移動で2往復というのはかなり有用です。その視点で少し議論してみてはどうですか。私は、完全に土・日きっぷ廃止はJR東日本の失策としか思えません。つばさは、福島から奥羽本線に入るなら、指定席が高いこともついでにお話ししておきますね。

  10. かんりにん より:

     こんにちは。フリータイプのきっぷというのは、いろいろな使い方があって興味深いですね。
     一点、根本的なところですが、僕は「土・日きっぷ」よりも「ウィークエンドパス」のほうが優れているとは一言も書いておりません。いろいろ批判はあるけれど、これはこれで使いでがある、悪い面ばかりでなく良い面もある、という話をしています。
     自由自在に優等列車に乗車できなくなったのは、「土・日きっぷ」と「ウィークエンドパス」を比較した際のマイナスポイントなのは確かです。
     ですが、その一方で「ウィークエンドパス」が便利に使えるケースもあります。
     例えば、東京(上越新幹線)浦佐(上越線)小出(只見線)会津若松(ばんえつ物語号)新潟(上越新幹線)東京というルートの旅。これは、僕が昨年リクルートの雑誌で紹介した定番ルートです。このルートは土・日きっぷだと1万8000円なのに対し、ウィークエンドパスだと1万7390円、往復とも自由席なら、1万6370円で済みます。こういうケース「も」あるわけです。
     特急券を事前に購入するのが面倒ということですが、車内精算という選択肢も、JRは積極的にではありませんが認めていますから、やむを得ない時は乗車後に精算してはいかがですか。
     また、「土・日きっぷ」は「あらかじめ前日までに購入しておくルール」でしたが、「ウィークエンドパス」は、週末であれば、当日でも、思い立った時に"気ままに"購入できるようになりました。
     いずれにしても、「土・日きっぷ」については、使い勝手の良いきっぷだったのになくなってしまったのは残念です。
     一方で、現実としては今は「ウィークエンドパス」があるわけですから、これの上手な利用法を考えて、列車の旅を楽しんでみては如何でしょうか。

  11. かんりにん より:

    おっと、例が本文とほとんど同じになってしまいました。失礼しました。
    特急乗り放題のきっぷがなくなったのは残念ですが、こうしたきっぷは、鉄道会社のサービス商品、バーゲン品ですから、時と状況によって内容が変わっていくことはあり得ると思っています。
    土・日きっぷとウィークエンドパスはコンセプトが異なるきっぷですから、「土・日きっぷと同じ使い方をすると損をしやすい」と考えるばかりでなく、ウィークエンドパスならではの活用法を考えていきたいですね。

  12. 匿名 より:

    検索から来ました
    私個人の意見です
    ウイークエンドは正直グレードダウンとしか思えません
    上にもあるように、列車の旅を楽しむのであれば今回の変更は悪くないでしょう
    しかし土日きっぷの場合、レジャーのみではなくビジネス利用がかなりあったと思われます
    私自身の利用方法の殆どがそれでした
    その場合、切符の個別購入はかなり面倒であるし、場合によっては追加購入になってしまう点で使えない切符の代名詞になりました(社内でも)
    あくまで個人の主観ではありますが、列車自体を楽しむ方以外の殆どは高速移動を望んで居るわけです
    そしてその比率は絶対的に後者が多いと思われます
    趣味的利用には良いのでしょうが、余りにも嗜好性が高く一般受けはほぼ無いと思われます
    結果これによりJRの利用率は下がると思います
    利便性が下がったのであれば他の手段に乗り換えるのは当然です
    私の場合、今回の件で飛行機・バスの利用が増えました
    この事から私の中では
    土日切符=ビジネス及びオールラウンダー
    WEP =趣味での利用
    と言う位置付けになっております

  13. かんりにん より:

    こんにちは。
    仰る通りで、ある使い方をされていた方にとっては、サービスダウンだと思います。
    こうした割引切符、企画商品というのは、いわばバーゲン品、限定特価品な訳ですし、こうした変更があるのはある程度やむを得ないかなと思います。
    ウィークエンドパスがビジネス向きではなく、列車を中心とした旅を楽しむ方(必ずしも鉄道ファンだけではありません)に向けた切符というのは、同感です。JRも、そのように考えているのだと思います。
    10月から、ウィークエンドパスは200円値上げした代わりに10の私鉄・第三セクター路線に乗れるようになりました。個人的には、こうした施策は歓迎です。もっとも、私鉄、第三セクターの現状を考えると、別途切符を買ってあげたい気分にもなるのですが(笑)。
    また遊びに来てください。よかったら、捨てハンでも良いので、ハンドルネームを書いてくださると嬉しいです。