麗水駅・順天駅新駅舎へ移転

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 全羅線の終着、麗水駅。昨夜午前0時をもって、約70年間親しまれた駅は閉鎖され、別の場所に建設された新駅舎に移転した。

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 緩いカーブを描いての出発風景は、もう見られない。

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 こちらが、新しい麗水駅。旧駅よりも900m順天駅寄りに、完全に新しく建設された。

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 元々、麗水港に隣接して設置され、市街地からは離れていた麗水駅だが、今回の移転によってますます遠くなってしまった。

 最近のKORAILは、駅を市街地から遠く離れた場所に移転するケースが多い。こんなことで、バスから乗客を奪うことができるのか、疑問だ。

 麗水の場合は、市中心部に近い、ひとつ手前の美坪駅をもっと整備するか、市庁の近くに新麗水駅を設置したほうがいいのではないだろうか。

 ちなみに、順天駅も同時に新駅舎に移転した。こちらは、旧駅舎の南隣に隣接して建設されたため、利用客の便に大きな変更はない。

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ホーム側から見た順天駅新駅舎

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役目を終えようとしている順天駅旧駅舎。

 設備の近代化を進めるのはいいけれど、麗水駅の移転は、どうも必要性に疑問を感じる。

 また、近いうちに訪れよう。

コメント

  1. なかむらこういち より:

    私も最終日のおととい、引越し真っ最中の順天駅に行ってきました。老朽化が目立っていたといはいえいかにも韓国の地方都市らしい風情のある駅舎だったのに残念です。
    88年の夏はどうもお世話なりました。

  2. 栗原景 より:

    88年夏……というと、みちのくホニャララでしょうか?懐かしいです(^^)。
    本当に、いかにも韓国という感じの駅がどんどん失われていますね。
    特に、全羅線はその傾向が顕著のような気がします。

  3. 高橋和司 より:

    今回は真面目に(いや、前回も真面目でしたが、栗原先生としては「なんだこいつ、つまらないことに絡みやがって」と思われたことでしょうし)伺いたいのですがよろしいでしょうか。
    >最近のKORAILは、駅を市街地から遠く離れた場所に移転するケースが多い。
    というのは、例えば麗水なら麗水で高速バスターミナルや市外バスターミナルと比較して駅が市街地から遠いのか否かを比べないとこう言い切るのは難しいのではないでしょうか。
    例えばソウルのバスターミナルのうちで高速バスターミナルなんかは開設当初はソウルの新興住宅地でしかなかった場所に設置されたのが、今や押しも押されぬソウルの長距離交通の結接点にのし上がったわけですし。
    それから韓国の鉄道は全駅停車のピドゥルギ号・トンイル号を全廃したわけですから、貨物+長距離交通+首都圏通勤輸送に全面シフトしたと見なしていいのではないでしょうか(このあたりはKORAILの公式見解に接し得ない私より、数数え切れない報韓歴を持っていらっしゃる栗原先生の方が詳しいと思いますが)。

  4. かんりにん より:

    こんにちは。
    駅の郊外移転は、ざっと挙げても南原、麗水、長項、群山などの例を現地で見ています。いずれもバスターミナルと比べても、現在の市街地から離れたかなり場所に移転しており、そういった実例をいくつも見た感想として述べています。
    例えば南原は移転から5年経過しても新駅周辺には一軒の商店もオープンしておらず、バスかタクシーで山をひとつ越えなくてはなりません。都市間輸送もバスに持って行かれたままです。地元の人々に取材しても、不便になったという声がよく聞かれます。
    特に、麗水駅は港北側の海岸に山がせり出した狭い土地に移転しており、市の中心部からは山をぐるりとまわらないとアクセスできません。ここが市の中心部になるのは地形的にほとんど不可能です。麗水市の中心部は、バスターミナルがある美坪地区と、その手前の麗川地区に移っており、わざわざ離れた場所に立派な駅を作ることにどれだけ意味があるのか、疑問です。
    >> 貨物+長距離交通+首都圏通勤輸送に全面シフトしたと見なしていいのではないでしょうか
    これは、書道駅のところで書いたかもしれませんが、おっしゃる通りだと思います。KORAILの旅客輸送は、広域首都圏電鉄と中距離都市間輸送に集中する方針で、郊外集落の小駅がどんどん信号場化しています。
    なお、ピドゥルギの廃止は、都市間輸送への集中以前の事例で、列車の近代化と実質運賃値上げを狙ったものという印象を持っていました。

  5. 高橋和司 より:

    お答え下さりましてありがとうございます。やはり自らの足で現地情報を取材されてきた方のお話は貴重だと解りました。
    そうすると何か日本の鉄道事情だけを知っている程度の鉄道オタク(あ、もちろん栗原先生のことではなくて私のことですよ)では見えてこない、KORAIL特有の(または日本を除く世界共通の)事情があるのでしょうかね。そこをKORAIL幹部あたりにインタビューして文章を書いてみたら興味深いレポートが仕上がるのではないかと愚考します。

  6. かんりにん より:

    こんにちは。
    実は、KORAILの幹部にインタビューしたこともあるんですが、あそこは公社化したといってももの凄くお役所体質なんです。正面から質問しても優等生的回答ばかりで参りました。別のアプローチを考えないとと思っています。

  7. 返事が遅くなって申し訳ありません。
    なるほど、お役所体質ですか。一体彼らは何のために公社化したのでしょうかね、という気がしますが……