商店街の貼り紙

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 商店街に、貼り紙が出された。

 最近、○○商店街内に猫が住みついており、お客様及び店舗の方々が、猫のふん尿の臭いにとても悩まされております。
 猫はかわいいと重い、エサをあげたくなる気持ちはわかりますが、付近の店舗の方々にとっては死活問題にもなりかねない事です。
 餌付けをしたり、猫等の動物を近づけることを誘発する行為は、間接的に営業妨害をしている行為となり、店舗の方々より、損害賠償責任で訴えられる例もありますので、餌付け等の行為は必ず止めていただきますよう、宜しくお願いいたします。

 夜ごとに人だかりができ、他のブログでも場所を特定して紹介する人も現れるなど、地味にヒートアップしていた奴らの件。可愛いイラスト付きの貼り紙とするあたり、事を荒立てたくないということなのだろう。この商店街には、猫好きで有名な老舗店もあり、心を痛めているに違いない。

 ここには、複数の「餌やりおばさん」がいる。以前は1人しか確認していなかったが、ここ1年ほど、数名の常連を見かけていた。そうなると、奴らのように調子に乗る奴も出てくる。

 よく勘違いされるのだが、僕は基本的にノラ猫への餌やりには否定的だ。自宅に通ってくる奴に敷地内で施しを与えるくらいならまだしも、町内を回って不特定多数のノラ猫に餌付けをする行為は、結局そいつらの立場を危うくする。

 餌付けをすれば、ネコどもは身を危険に晒して餌を探し求める必要がなくなり、栄養状態も良くなって生存率が上がる。安住の地を求める雌猫が増え、それを巡って雄猫も集まって子猫も増える。子猫の死亡率も下がるので、この商店街がそうであるように、1~2年で一気に個体数が増えてしまう。

 その結果、猫が好きでない人、動物の臭いにアレルギーを持つ人の心証を損ねてしまう。最悪の場合、猫嫌いの人によって殺虫剤などの毒薬がまかれたり、捕獲して保健所に持ち込まれることもある。

 生ゴミを荒らす奴が減るといった利点もあるにはあるが、数が増えすぎたり、人を怖がらない猫が増えるなど、問題のほうが多い。世の中、猫を可愛いと思わない人、害虫と同じような存在と考える人は、猫好きと同じくらい大勢いるのだ。

 ノラ猫増加の対策として、捕まえて避妊手術を施す人もいる。たとえば、放し飼いにしている雄の飼い猫が、あちこちでノラの子猫を増やさないための方策などとしては、やむを得ない面もあるが、餌やりをしたいがために実行するなら、それは本末転倒だ。

 猫が好きなら、本当に困っている奴以外には、原則として餌をやるべきではない。奴らは、野生動物なのだ。

コメント

  1. ききみみ より:

    わたしもそう思います。街猫として生まれ彼らなりの人生(猫生?)を生き街猫として死んでいくのが本来の姿だと思います。人間の自分勝手な思いやりのせいで人と街猫の境界を壊してはならないと思います。餌付け、という行為は真の猫好きならば決してしない行為だと思います。