日本の伝統に触れる小さな旅

 3連休最終日。ようやく、右足も完治したので、リハビリを兼ねてショートトリップに出かけた。

 様々なプランが考えられたが、熟慮の結果、湘南新宿ラインの宇都宮行きに乗った。テーマは、「日本の伝統に触れる旅」だ。

 最近、竹島問題などもあり、「日本人とは何か」を考える機会が増えている。しかし、神道、仏教、天皇制といった、日本という国のあり方を左右する問題について、僕はまだまだ勉強不足だ。

 そこで思いついた今回の旅。僕が訪れたのは、ここだ。

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 埼玉県、鷲宮神社(わしのみやじんじゃ)。

 天穂日命(あめのほひのみこと)と武夷鳥命(たけひなとりのみこと)、大己貴命(おおなむじのみこと)を祭神とし、出雲族の草創に係わる関東最古の大社と言われる神社だ。鎌倉時代、室町時代、そして江戸時代と、時の政権から保護を受け、数多くの文化財を所蔵している。この由緒正しい神社を、今日はじっくり見学しようという訳だ。服装は、スニーカーにユニクロジーンズ、大型のリュックという旅行スタイル。気温は高いが、動きやすく風が心地よい。

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 さて、僕は神社に来たら、絵馬を見ることにしている。以前靖国神社に行ったときも、真っ先に絵馬を見に行った。いろいろな人の願いがつづられていて、興味深い。伝統の地でありながら、現代日本人の思いが伝わってくる。

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 神社には、作法というものがある。見学とは言え、日本人である以上その作法にできる限り従うべきである。僕は、本殿の前に置かれた茅輪を「左右左の礼法」でくぐり、二礼・二拍・一礼によって参拝した。続いて、絵馬に「みさ○は俺の嫁」……と書こうとしたが、これは思うところあってやめた。

 一通り見学を終え、境内にある「クイズ神社」こと久伊豆神社にも賽銭を投げて、社会科見学兼参拝は終了。大鳥居前の大酉茶屋で、「つかさの冷やし山菜もっさい」なる、風変わり名前の冷やし山菜そばで昼食とした。

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 囲炉裏の周りに、現代的な絵画が並ぶというユニークな茶屋でいただく「つかさのやっさい山菜もっさい」は、個性的な名前とは裏腹にしっかりしたそばだった。つゆは久々に口にする正統派辛口関東つゆだ。これは、酒がほしくなる。他にも、この茶屋は「こなたぬき」だの、「バルサミコ酢パフェ」だの、アイディア豊かなメニューが多かった。

 こうして、日本が誇る神社の文化を堪能した僕は、清々しい気持ちで駅への道を歩き出した。途中、交差点で外国人を大勢乗せた観光バスとすれ違った。日本の伝統を体感できるスポットとして、鷲宮神社を訪れるのかもしれない。横断歩道ですれ違う時、車内のガイジンさんたちが一斉に僕のほうを見て、数人が指までさしていたが、あれは何だったのだろう。きっと、神社を参拝する立派な若者を見て、感心したに違いない。