おかげさまで、写真集「秘境駅」は先週無事発売となりました。売れ行きも好調です。そこで、これから何回か、思いついた時に「秘境駅」制作時のエピソードを紹介していこうと思います。
メディアファクトリーの編集者、江守さんからメールが来たのは、昨年12月半ばのことだった。江守さんが企画した、横見浩彦さんと牛山隆信さんの対談本、「すごい駅!」のサイン会から1週間ほどたった頃だ。
メールには、新しい企画で協力をお願いしたいので、これまでに撮影した駅の写真を見せてほしい、それを見ながら打ち合わせをしたいとあった。
江守さんとは、サイン会で名刺を交換したばかり。秘境駅探訪家として鉄道ファンに有名な牛山さんとも、その時が初対面だった。出版の仕事は、こうやって人のつながりが仕事につながっていくことが多い。サイン会の撮影は横見さんに個人的に頼まれた話だったし、その横見さんとも、昨年6月に「鉄子の旅・銚子電鉄ツアー」の取材で初めて会い、横見さんが僕のことを知っていてくれたことがきっかけで親しくなった。
そんな風に縁がつながっていくのはありがたいことだけど、正直、このメールには少々困惑した。僕を、鉄道専門のカメラマンと誤解していると思ったからだ。
当時は、まだまだ韓国の仕事がほとんどで、撮影を伴う鉄道関係の仕事は少なかった。メールの雰囲気から、撮影済みの写真を貸してほしいという話かもしれず、それなら全く役に立てない。
そこで、お話は大変ありがたいが、自分は鉄道専門のカメラマンではないのでお見せできるような写真はあまりない、お役には立てないと思う、というような返事を出した。恐らく、「失礼しました」となって、この話は終わると思ったのだが……。
ところが、それでも良いので会って相談したいと言う。そこで、自分に何ができるか、何の企画か全くわからないまま、渋谷のメディアファクトリーを訪れた。昨年の、クリスマス頃のことだ。
そこで提案されたのが、「牛山さんを著者とする、秘境駅の写真集」という企画だった。
(つづく、はず)
コメント
『秘境駅』さっそく購入しましたよ。余裕がなくて、まだチラリとしか見れていないのですが……。
そのうち、H氏の結婚祝いに三河島の新居に押しかけましょう。