誤配達

誤配達
 そういうわけで、日本に帰ってきた。水曜木曜と、体調がひじょーに厳しかったが、なんとか復活。
 さて、所用で電車に乗っていたら、携帯がなった。
「ア、くりはらサンですか? EMSのおにもちゅが、間違ってうちニ届いてルンですけど」
 明らかな韓国訛りの日本語。うちってどこだ? ていうか誰?
「あ、すみません、今電車の中なんですが……」
「そうですカ、それで郵便屋さんが間違えたミタイでですネ」
 完全スルーである。ということは、これ韓国からの国際電話だろうか。税関か何かで引っかかって、ソウルのうらかわさんの事務所にもどってしまったのかもしれない。なら、今話してるのはキムさんか?
 「えーと、今日本の電車に乗っているんです。降りますから、チャムシマニエヨ」
 電車が停まり、ドアが開く。あわてて降りて、もう一度電話を耳に当てる。
「ここは西新宿×ー×ー28バンチなんですよ。うちも韓国人がいるので、郵便屋さんが間違えたらしくて、うちバイトの子が受け取っちゃったみたいで」
 やっと事情がわかった。新宿の事務所の近所に、僕が別送品で送ったEMSが誤配達されたらしい。それまで思い切り不審そうな声を出していたのを改め、礼を言ってあとで取りに行く旨伝えた。全く、日本郵便なにをやっとるか。
 電話を切り、顔を上げると……
 北斗星、北陸、あけぼのの揃い踏みが目に飛び込んできた。
 ここは、尾久駅だったのだ。

コメント

  1. peachmelba より:

    韓国のことを調べていたら、コチラに辿り着きました。
    とても面白そうなので、これからじっくり読ませて頂きます!
    更新楽しみにしていますね。

  2. かんりにん より:

    こんにちは。訪問ありがとうございます。
    好き勝手にやっているブログなので、楽しんでいただけるかわかりませんが……。
    過去ログだけは膨大にあるので、ぼちぼち見ていただければ幸いです。また遊びに来てくださいね。