由利高原鉄道鳥海山麓線

由利高原鉄道鳥海山麓線
 というわけで、由利高原鉄道鳥海山麓線に初乗り。元の国鉄矢島線だ。
 鳥海山麓線には悪いが、実は存在を今朝まで忘れていた。
 かつて、国鉄の赤字ローカル線を引き継いだ第3セクター鉄道は、ほとんどの路線が乗客の減少に苦しんでいる。由利高原鉄道も、存続が危ぶまれている路線のひとつだ。JRなんかにうつつを抜かしている場合ではない。こうした中小路線こそ、積極的にお金を払って乗るべきである。
 高原、とか、山麓、とか、観光路線っぽさを出そうと懸命なネーミングだが、実際に乗ってみると鳥海山麓線は地味な路線である。起伏は少なく、国道と畑の脇を淡々と走る。見所といえば、前郷駅でのスタフ交換くらいしか思いつかない。
 それでも、終着矢島駅は、観光センターを兼ねた立派な駅舎になっていた。以前の駅舎も隣に残っているが、今は物置になっている。
 現駅舎の売店におばさんの姿が見えたので、菓子パンを買った。
「はいよ、百マンエン!」
「……うわ、やすっ」
 こういうノリは大好きだ。
 往復運賃1100円、コーヒーと菓子パンで220円。合計1320円増収に協力できた。
「サンキューベリーマッチ!気をつけて!」
 とことんノリのいいおばちゃんだったが、よく考えるとちょっと気にかかる。
 ……外国人と思われたのだろうか。