ベルに逢いに、坂戸へ

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ベル

 じいちゃん家では、昔から犬を飼っていた。名前はベル。一匹が天寿を全うすると、しばらくしてやはり似たような柴犬を連れてきて、"ベル"と名付けていた。子どもの頃、じいちゃん家に行けば愛犬"ベル"がいたが、それが何匹目の"ベル"だったのか、ほとんど覚えていない。

 数年前、じいちゃん家にまた柴犬の子犬がやって来た。しかし、じいちゃんはすでに90を超える高齢。もう散歩に連れて行くこともできない。そこで、埼玉県坂戸市に住む姉の家に引き取られていった。

 で、今日はそのベルにじいちゃん夫妻を逢わせるために行ってきた。

 従兄弟が車を運転し、僕が一応道案内。週末とあって、関越自動車道が込んでいないか心配だったが、中野から1時間もかからずに坂戸に到着した。待ち合わせ場所の蕎麦屋で姪の桃子も交えて昼食をとり、姉宅へ。

姉の家には、3匹の柴犬がいる。うち2匹は人なつっこいが、肝心のベルだけは臆病者。子犬の頃にごく短い期間飼われただけのじいちゃんたちを覚えているわけもなく、突然の来客に尻込みしていた。じいちゃんは、いちばん人なつっこい犬が気に入ったようだ。そういえば、先代のベルはやたらと人なつっこかったっけ。

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ばあちゃんにおそるおそる近づくベル。

「さあ、お邪魔しましたから、帰りましょう」

 ばあちゃんが言い出した。まだ、ここに来て3分くらいしかたっていない。孫娘の嫁ぎ先にお邪魔しているという遠慮と、足腰が弱いじいちゃんへの心配が強いのだろう。出されたお茶に手もつけず、逃げ帰るように立ち去るのも申し訳ないので、まあまあと促してお茶をいただいた。

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まだまだ元気なじいちゃん

 結局、じいちゃんたちの滞在時間およそ20分。そう頻繁に遠出はできないからと、墓参りに行ったようだ。じいちゃんは94歳で、ばあちゃんも90近いが、実に元気である。

 僕は仕事があるのでここで別れ、電車で東京に戻った。持ち合わせが少なく、桃子たちにあまり小遣いをあげられず申し訳なし。無事に甥や姪の小遣いとして使われることを切に祈った。

 坂戸駅で電車を待っていると、母親からメール着信。

「大ニュース!」

 何かと思って、本文を開くと、

「子猫拾った。かわいいキジ(黒トラ)」

 ったく、みんな好きですな。

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