即席めんの父・安藤百福翁逝去

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 日清食品創業者の安藤百福氏が亡くなった。96歳だった。

即席ラーメンの父・安藤百福さん死去、96歳

開発した新製品の味見をする安藤百福さん(1982年6月) 即席めんを発明し、世界の食文化に大きな影響を与えた日清食品の創業者で元社長の安藤百福氏(あんどう・ももふく=日本即席食品工業協会会長)が5日午後6時40分、急性心筋梗塞(こうそく)で死去した。96歳だった。(読売新聞)

 安藤氏は、昭和33年にチキンラーメンを発売し、世界で初めて即席めんを商品化した人物だ。世界初のカップ麺「カップヌードル」や、宇宙食ラーメンの「スペースラメ」を開発を指揮した人物でもある。今や、1年間に世界中で消費される即席めんは857億食。韓国では、ラーメンといえば即席めんのことを指すほどだ。まさに、人類の歴史に残る人物と言って良い。

 安藤百福氏と即席めんの歴史はこちら
 安藤百福氏ゆかりの、インスタントラーメン発明記念館

 連続テレビ小説「てるてる家族」では、中村梅雀演じるラーメン博士、安西千吉として登場し、チキンラーメン(劇中ではニコニコめん)の開発秘話が、物語の大きなエピソードとして語られた。そう言えば、こんな商品もあったっけ。

 中村梅雀氏のブログ

 だが、正直に言えば、僕はチキンラーメンはあまり食べない人だった。

 僕が好んだのは、「本中華」「うまかっちゃん」「チャルメラ」「サッポロ一番」などの製品だ。高級路線の「中華三昧」は、憧れのラーメンだったし、小学校ではうわごとのように「なんちゅうか本中華」と呟いていた。要するに僕は昔から明星食品・ハウス食品派で、日清食品の製品はあまり好みではなかったようだ。

 チキンラーメンも、スナック菓子のような安っぽさが好きではなかったのだが、心変わりしたのは、やはり「てるてる家族」や「プロジェクトX」を見てからのようだ。特に意識しているつもりはなかったが、いつの間にか即席うどんも「赤いきつね」派から「どん兵衛」派に、カップ焼きそばも「ペヤング」派から「UFO」派に鞍替えしていた。

 最近は、夜に即席めんは避けている僕だが、今日ばかりはコンビニでチキンラーメンを買ってきた。チキンラーメンを食べるのは久しぶりだったが、スープの味が前より良くなっている気がした。

 亡くなる前日まで、安藤氏は元気に出社していたらしい。心からご冥福をお祈りします。お疲れ様でした。