聞慶石炭博物館

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 来年2007年は、慶尚北道訪問の年。それに合わせて、11月27日から30日まで慶尚北道の観光地を取材してきた。

 最初に訪れたのは、石炭と陶芸の町・聞慶

 聞慶には、かつて韓国有数の炭坑があった。日本統治時代の1920年代に開発が始まった聞慶炭坑は、最盛期には20カ所以上の炭坑が操業し、年間1000万トン以上の無煙炭を産出したという。現在はほとんどの山が閉山し、国鉄聞慶線も今はない。

 そんな聞慶には、韓国唯一の「石炭博物館」がある。かつての坑道を整備し、韓国の石炭産業の歴史を展示している博物館だ。

 石炭博物館といえば、北海道夕張市の夕張石炭博物館や、宮城県栗原市の細倉マインパークなどに行ったことがある。夕張石炭博物館は、炭住(炭坑住宅)や施設を比較的そのまま残していたが、聞慶石炭博物館はめっぽう明るい雰囲気だ。炭住跡は何もない空き地で、ホッパーや石炭ポケットといった施設跡も、眺めた限りでは見あたらない。そういえば、夏に訪れた旌善も、炭坑を思わせる施設はボタ山を含めてほとんど見かけなかった。日本とは、対照的である。

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 博物館は、練炭を模したという展示館と、坑道跡を整備した模擬坑道に分かれている。円筒状の展示館は、内部がらせん状の構造になっており、宇宙の誕生から韓国の鉱物資源、韓国の石炭産業史、聞慶炭坑の歴史と生活といった具合に続く。宇宙の誕生とか地球生命といった大げさなテーマが入ってくるのは、石炭博物館によくみられる特徴だ。宮城の細倉マインパークにも、「タイムトラベルゾーン」だの、「新生命体との遭遇」といった意味不明の展示があった。聞慶の場合は、「宇宙の誕生」は中央階段のデザインテーマ?に過ぎず、展示自体は非常に真面目だ。聞慶炭坑を拓いた日本をむやみに批判することもなく、じん肺被害といった負の側面にもかなりの展示スペースを割いている。「出勤時に目の前を女性が横切ったら縁起が悪いとするジンクスがあった」といった、時代を感じさせるエピソードも面白い。

 模擬坑道も本格的。トロッコに乗ってもう少し奥まで入れると楽しかったが、遊園地ではないのでしょうがない。必要以上にリアルな人形と、炭鉱夫たちのやりとりを再現した音声テープが流れ、雰囲気を見て回るだけでも楽しめた。

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 韓国へ行ってわざわざ炭坑の歴史を知ってどうする、という気もするが、なかなかきちんとした施設だ。ただ、日本語の案内が皆無なのは残念。慶尚北道は、慶州と安東を除いて案内板などの日本語対応がやや遅れているようだ。

 聞慶線跡を利用したレールバイクもあるので、変わった町を訪れてみたい人にはお勧めできる。

コメント

  1. トラベル より:

    トラベル

    ■アーユルヴェーダの聖地スリランカで浸る至福。
    ■海外旅行はたくさん行った事があるけど、留学やワーキングホリデーは経験がない・・・
    ■ストレスの多い日々の暮らしを変えたい、ちょっと豪華な息抜きをしたい
    ■お湯よし! 食よし! ゆったりリラックス! 日常を忘れる旅へいざ・・・
    "■もっとキレイになるために・・・。
    "
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