がんばれニコン

がんばれニコン
 ヨドバシカメラ秋葉店に来ている。
 キヤノンの新型デジタル一眼レフ「EOS KissDigitalX」のキャンペーンをやっていた。
 ネット上に公開されていたサンプル画像を見ると、1000万画素になった代わりに高感度撮影時のノイズが増え、色の再現性もイマイチな気がしていた。
 だが、実機を触ってみると、グリップは握りやすくなり、ボタンは質感が高まって、「しっかりした作り」を感じさせる仕上がりだ。サイズも適度に小さく、これなら他社モデルを指名買いする客以外は根こそぎ持っていってしまうかもしれない。微妙に大きく、ボタンがベコベコしているαスウィートデジタルや初代KissDとはえらい違いである。
ニコンの新製品、D80も触ってみた。
 …でかい。それが第一印象。
 たしかに、ファインダーは感動的に見やすい。シャッターの感触も高級感があり、信頼性が高そうだ。いかにもニコンが作りそうなカメラだと思う。
 でも、ニコン。大丈夫だろうか。
 たしかに、カメラ好きには魅力的なカメラなんだけど、購入者の大多数を占める初心者層には、アピールしづらいんじゃないだろうか。
 KissDXとD80のどちらかを選べと言われたら、軽くて小さくて触った感じもがっちりしていて、ゴミ対策も施されているKissDを選ぶ人が多いと思う。
 すでに、プロの世界ではニコンからキヤノンへの大移動が起きている。その上、若い初心者層にも選んでもらえなかったら、残るは「ニコン爺ちゃん」だけ。分かりやすい機能満載のソニーに抜かれる日も遠くないかもしれない。
 D80、いいカメラなんだけど、「お金のないマニア」が買うだけで終わったら、もったいない。
 お金があったら、「頑張れニコン」と、一台買ってあげるところだ。
 ここで、「結局買っちゃいました」と締めればお馴染みのオチだが、さすがに今日は我慢した。僕も大人になったものだ。