「夏休みこども科学電話相談」

寝ても覚めてもラジオを聴いている。
午前はNHK第一放送、午後はJ-WAVE。
要するに、毎日昼まで家にいて、午前様になるまで仕事場にいる、ということでもある。

今月は、毎日「夏休みこども科学電話相談」で起きていた。
テーマが宇宙や昆虫など、科学に限られている以外は、TBSラジオでやっている「全国子供電話相談室」とそっくりだ。

初めて聞いたときは、夢うつつだったこともあり、こどもの頃の夢を見ていると勘違いしたほどだ。

「全国こども電話相談室」は、以前は平日の夕方4時からの放送だった。その時間に自宅にいる子供が減り、土曜に移った後消えた……と思っていたら、今は日曜の朝にやっているそうだ。

こどもたちの質問は、昔に比べてずいぶん大人びてきている。

「絶滅危惧種は、なぜこうもりに多いんですか」

そんなこと、小学生がきいてどうする。いや、すごい偏見。

毎年夏休み限定で慣れていないせいか、回答者が答えに詰まることがあるのも面白い。

「イチゴは草の実なのに、どうして果物なんですか」
「日本ではそう決まっているからです。生産者の立場では、草である以上野菜に分類されますが、ひとたび市場に出回ると、消費者には果物として認識されるんです」

ものすごい回答だ。大学の論文テーマになりそうである。ていうか、「果物とは木になる実のことである」っていうことの方が勉強になった。

僕の師匠の種村直樹氏も、かつては「全国子供電話相談室」で鉄道のレギュラー解答者を務めていた。僕も、スタジオに同行したことがある。磁石を知らない幼稚園児から、「リニアモーターカーはどうやって走るんですか」と質問されて、悪戦苦闘していたのが懐かしい。

「全国子供電話相談室」は、放送に採用されなかった質問にも、必ず答えてくれるというのが昔からの売りだ。放送終了後、別室から質問した子供たちひとりひとりに電話をかけ、すべて答えていく。オンエアよりこちらのほうが時間がかかることも多く、さすがは長寿番組と感心したものだ。「こども科学~」のほうも、きっと同じシステムに違いない。

今年の「こども科学電話相談」も、今日で終わり。
もうすぐ秋が来るようだ。