2006年の一大決心?

 1年の計は元旦にあり。というわけですでに6日だが、僕も新年を迎えるにあたり、一大決心をすることにした。

 困難というものは、それが険しければ険しいほど、乗り越えたときの喜びが大きくなる。かのロアルド・アムンゼンの南極点初到達然り、ドーバー海峡横断部のドーバー海峡横断達成然り。

 僕の一大決心とは、これだ。

 毎朝9時に起きる。

 まちがえた。

 青色申告をする。

 ……たいへんな決心である。複式簿記に仕訳、貸方・借方、事業主貸。すでに何のことやらさっぱりわからないが、この困難を乗り越えれば、最大65万円の特別控除……簡単にいえば、来年から毎年6万5000円返ってくるのだ。ほかにも、いろいろ特典があるらしい。何より、今までのようなどんぶり勘定ではなく、フォトライター・栗原 景の収支をきちんと把握・管理できるというのが大きい。事業者としての自覚も持てるだろう。

 青色申告は、専用の会計ソフトを使うとカンタンだというので、さっそく体験版をインストールしてみた。

「ラクラクエスコートを利用して初期設定しますか?」

 もちろん、イエスだ。ラクラクエスコート。カンタンに事業者の初期設定ができるよう、ソフトがエスコートしてくれるというわけだ。宣伝にも、「初心者でも安心の機能でかんたんに導入・使用できます」と書いてある。

 事業者名と住所。屋号は僕の場合本名だ。住所は自宅と事務所があるが、自宅のほうで申告するつもりなので、自宅の住所を書く。

 分野はサービス業でいいはずだ。消費税申告区分は免税業者。電子帳簿保存はしない。

 かんたんかんたん。

「部門設定をしますか?」

 …なにそれ。

「部門設定。小部門、コード、正式名称、簡略名称」

 ……。

「小部門イニシャルキー、共通部門配分、従業員数。事業主報酬見積額。所得区分。」
「売上債権残高設定」
「仕入債務残高設定」

 "必要な項目を入力してください。"

 _| ̄|○

 ラクラクなエスコートにすらついていけない。果たして僕に、青色申告はできるのだろうか。

 さて、確定申告の準備でもするかな。