10年ぶりの、南大門屋台

b0055  日曜日。取材チームの要望で、南大門市場のポジャンマチャ(屋台)に入った。

 南大門市場の屋台。10年前、僕が初めて韓国を訪れたとき、ぼったくられた場所だ。

 ハングルの洪水にも慣れ、気が緩んできたころだった。よく値段を確認せず、4人でちょこちょこと飲み食いしたところ、
何十万Wという代金を請求されたのだ。急に日本語が通じなくなり、40万Wくらいの金額を示されたときの、血が逆流する感覚は、
今でも忘れない。彼らは電卓を示して、料金の内訳をまくしたてる。金額を隣の韓国人グループに見せると、ちょっと驚き、
そして哀れむような表情を見せた。一般の人も、助けてくれないのか……。

 今、同じものを食べたら、適正価格は4万Wくらいだろう。ハングルのハの字も読めず、観光公社の存在すら知らなかった当時、
屋台のおっさんたちに対抗する術は僕にはなかった。

 必死で交渉はしたものの、結局20万Wくらい払わされたはずである。

 そして、10年後。あのときと全く同じ場所で、再び屋台に入った。そこそこ愛想のいいおばちゃんに、
いちいち値段を確認しながら注文する。 10年前と今では全く状況が違い、そう簡単にぼられる訳がないのだが、なんだかやけにドキドキする。
ホンハプタン(ムール貝のスープ)をどっさり盛りつけるのを見て、ひと皿ではなく1人3000Wと言い出すんじゃあるまいか。
ジャンオボックン(鰻炒め)1万Wはぼられてないか。いつもならさほど疑問に思わないことが、やたらと気になり、不安になる。やっぱり、
トラウマになっているようだ。

 ホンハプタン、ジャンオボックン、チャプチェ、焼酎1本を注文して、締めて2万1000W。安くはない。でも、適正価格だ。
屋台の飲み屋は、一般の居酒屋よりもむしろ割高なのだ。激安を期待して屋台に入ると、良心的な店でもがっかりする羽目になる。

 月曜日、今度は東大門市場の屋台にも入った。最近は南大門より悪い噂の多い東大門の屋台だ。またまた緊張していたのか、
大皿と小皿を間違えて、「コプチャンの値段、ごまかしてるでしょう?」と言ってしまった。実は、
ごまかすどころか量をサービスしてくれていたのだ。ごめんなさい。こちらは、マッコルリ3本、スンデボックン、コプチャンボックン、砂肝、
パジョンを注文して、3人で3万9000Wだった。コプチャンボックンは、大皿1万W、小皿5000Wだ。参考にしてほしい。

 ぼられることなく、愛想もまずまずだった屋台だが、やっぱり僕は、どこか気分が落ち着かない。

コメント

  1. うめぼしこんぶ より:

    その昔、韓国語できないときに
    明洞でフナ焼きの頼み方をしらず
    2つください!と言ったら
    2つで1000Wで、おつりなし。
    次の日韓国人の友人と行ったら
    4つで1000Wでした~。
    私も屋台で飲んだ事は
    あまりないです。
    韓国語できても、なんかドキドキ
    してしまうんですよね。
    今週末福岡ですが、福岡も
    屋台は意外に安くないみたいですね。
    そしたら暖かい店内で安心して
    食べたほうがいいかな?とも思いますよね。
    日本から韓国に家族友人が来ると
    今でも「屋台行きたい」って言います。
    「屋台は意外に高いよ」と私。
    アムトウン、ブログ楽しく読みました♪

  2. 書記長 より:

    カゲリ氏もやられてましたか。
    ウチも10年程前ですが、ネイティブが一緒なのに、
    やられてた経験ありw