韓国の出版社を訪問

b0046  教大駅の近くにある、時空社に行ってきた。

 時空社は、韓国の大手出版社のひとつだ。この会社からは、「Just go」という旅行ガイドブックのシリーズが刊行されている。実はこれ、実業之日本社の海外ガイド「わがまま歩き」と、日本国内ガイド「てくてく歩き」の正式な韓国語版だ。

 「Just go」は、韓国のガイドブック市場に新風を送り込んだシリーズだ。画期的だったのは、韓国から見れば海外旅行ガイドであるにもかかわらず、「東京・箱根・伊豆・日光」といったように、日本の地域別ガイドを出したこと。デザインも、日本の最新のデザインワークを取り入れ、大型書店の教保文庫では、「Just go」東京編が約2年にわたり実用書の売れ行き1位を占めた。単に日本のガイドを翻訳するのではなく、韓国人の旅行形態に合わせ、東京、箱根、伊豆、日光という4冊の本を1冊にまとめるなど、独自の編集をしている点も興味深い。

 時空社の編集部は、日本の出版社にそっくりな、雑然としたオフィスだった。デスクには資料や本が山積みになり、その中にPCが埋もれている。わがまま歩きなどの見慣れた本が、書棚にずらりと並んでいる様は、なんだか不思議な感じだ。部員の中にスーツを着ている人はおらず、30代後半くらいのクォン氏も、カジュアルなセーター姿。出版社の社会的位置がやや低い韓国だが、この辺りの雰囲気は変わらない。

 今日は、ある雑誌の取材で、僕がクォン氏に話を聞きに行ったのだが、いざ会ってみると、逆に僕のほうが多く質問された。日本のガイドブックがどのようなシステムで作られているのかに、強い関心を持っているようだ。取材者の数は……。写真は……。期間は……。

 元が日本人向けに作られたガイドだけに、高級ホテル中心の宿泊情報など、韓国人には合わない情報もたくさんある。興味深かったのは、 日本人向けに余りにも詳しい地図が、逆に外国人である韓国人には見づらいという話。詳しければいいというわけではないというわけだ。 2002年の発売以来、時空社の編集部では、そうした点を細かく調査し、この秋に出た改訂版では、独自のページを大幅に増やしたという。改訂を重ねるうちに、全く別のガイドになってしまう気もするが、韓国人に使いやすいガイドブックに成長してくれればと思う。

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 もちろん、フリーライターとして、何かできることがあればという売り込みもしてきた。先方は大歓迎の様子だったが、原稿料の相場には、きっと大きな差があるはず。さて。

コメント

  1. 歩き者 より:

    日光へ行くと、世界中からの観光客の方々を姿を目にしますが、その中でも韓国からは結構多いかな?と感じました。
    このガイドが貢献していますね。
    公衆サインも、日本語・中国語・韓国語で書かれているところありますし。

  2. 歩き者 より:

    日光へ行くと、世界中からの観光客の方々を姿を目にしますが、その中でも韓国からは結構多いかな?と感じました。
    このガイドが貢献していますね。
    公衆サインも、日本語・中国語・韓国語で書かれているところありますし。

  3. 歩き者 より:

    あ!二重投稿になり、大変失礼しました!