銀座で結婚パーティ

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 銀座のkihachi chinaで、友人SとWの結婚式。
 Sは、出版社の新入社員だった頃、仕事を通じて知り合った友人で、かれこれもう10年近いつきあいになる。女の子だが、お互いある種の波長が合ったらしく、お互いこれまで男女をほとんど意識せずに付き合ってきた。
 新郎のWも、二人が付き合い始めてまもなく食事をしたことがあり、顔見知りだ。アキバ系イケメンとも言うべき好青年で、3次会では一緒に「オタスケマン」を熱唱した。
 さて、3次会をもって解散となった夜10時。新郎新婦と僕、そしてSの幼なじみのKさんの4人は、銀座の某ファミリーレストランにいた。パーティが早い時間だったので酒が進み、2次会、3次会ではいろいろあったのだが、ようやく落ち着くことができた。とりあえず、お疲れさまの乾杯。
 そこへ、新郎Wの携帯が鳴った。先ほど帰った(はず)の、Wの友人Aくんかららしい。
「…Kさんを紹介してくれって言ってるよ」
 地方からわざわざ駆けつけたKさんは、性格がよくさっぱりとした感じの魅力的な女性だ。電話をかけてきたAくんは、僕たちが4次会を断って抜けてしまったために、携帯番号を聞きそびれたらしい。
 まあ、そんな個人情報を教えるわけにはいかないので、Wは適当に断って電話を切った。
 しばらく、昔話で盛り上がっていた。と、またWの電話がなる。
「Kさんの携帯アドレス教えてくれって…」
 Kさん、大人気である。その後も、Kさん紹介しろコールが続いた。
 結婚式に出席すると、まわりも結婚したい&恋人ほしい気分が盛り上がるというが、こういうことなのか。僕には考えられない話で、正直びっくり。これくらい積極的なのが、普通なのだろうか。僕はと言えば、訊こうともしなかった。オタスケマンと花の子ルンルンを歌ってる場合ではなかったか。