今ごろ、プロ野球問題の話

 帰ってきたからというわけではないが、いきなり韓国とは無関係の話を。
 17日、成田空港のホテルで見た、古田選手会長と瀬戸山選手関係委員長の会見。
 正直、選手会の、労組としての甘さを感じた。
 当初、選手会は近鉄とオリックスの合併の1年凍結を求めていたはずだった。それが、10時間の交渉の中でいつのまにか「来年の合併やむなし」の雰囲気に変わり、要求が「来季からの新規参入促進」に変わってしまった。NPBの交渉ペースに乗せられ、言質を取られてしまったのではないか。
「来季からの新規参入」は、確約できる事柄ではない。
 もちろん、選手会側もそのことはわかっているので、「最大限の努力をする」という文言を入れるという要求にとどめた。だが、そんな曖昧な要求では経営側の態度を改めさせるのは不可能だ。NPBがそれを受け入れ、適当にポーズだけ見せた挙げ句に「最大限努力したけど、ダメだった」と言ったら、選手会は納得するのだろうか?
 NPBは、選手会に存分にものを言わせ、ストライキまでうたせた上で、「努力条項」を受け入れるのではないかというのが、僕の考えだ。そうなれば、選手会はNPBと合意せざるを得ない。そして、楽天やライブドアの加盟審査をするふりだけして「やはり困難」と却下、シーズン終了後に、再び第2の合併話が浮上する……。
 そこまでは行かなくとも、今週のストライキで選手会に花を持たせ、来週、合意書にひとこと加えるだけでこの問題は「決着」となるシナリオは、おおいにあり得る。そうなれば、選手会の負けである。
 終始「お願い」口調の古田を見るにつけ、そんな不安がよぎるのだった。