コヨーテ「花火」盗作疑惑

 人気ダンスグループ”コヨーテ“の新曲、「花火(불꽃)」。
 発表された当時から、よく「これ、日本の歌だよね」と言っていた。荒木とよひさ作曲の「四季の歌」とメロディがほぼ同じなのだ。”春を愛する人は…”というあれである。
 サザンの「TSUNAMI」や尾崎豊の「I love you」が、J-POPのカバーと謳われ大ヒットする時代である。「四季の歌」はもともとロシア民謡のアレンジと聞いたことがあるし、権利関係の問題はないのだろうと思っていた。元の曲が古いので、もとが日本の曲と謳わないこともあり得る。
 ところが、昨日あたりからテレビのニュースやスポーツ新聞で、これが盗作疑惑としてニュースになっている。ネットではネチズンたちが大騒ぎだ。どうやら、権利関係はぜんぜんはっきりしていなかったようだ。
 「花火」を作曲したというイ・ヨンミン氏の談話が各紙に載っているが、その内容はメディアによって少しずつ異なる。
中央日報東亜日報によれば「幼いころよく聞き、真似て歌ったメロディからヒントをもらった」とあるが、一方スポーツトゥデイには「ロシアの口承民謡からヒントを得た」とある。いずれにしても、メロディがオリジナルでないことは事実上認めているようだ。
 もちろん、著作権を侵害したメロディの盗作は批判されて然るべき。コヨーテの曲自体は悪くないだけに、残念だ。
 ただ、それと同時に僕が注目したのが、韓国のネチズンの間に、日本からのパクリ・盗作を非難する雰囲気が醸成されてきたということ。韓国のコミュニティサイトを見ていると、韓国のネチズンの多くは、「花火」を間違いなく盗作だ、恥ずかしい、みっともないと非難している。
 僕が韓国に来た2001年当時は、まだこうした騒ぎはほとんどなかった。当時大ヒットしていたカンの「僕の人生に春の日を」は、声を含めて「ガラスのメモリーズ」の完ぺきなカバーだったが、その時は盗作ではないかといった話は全く聞かなかったのだ。日本通の韓国人の多くが、「ガラスのメモリーズ」を知っていたにもかかわらずだ。
 KBSを見学したときにも思ったが、韓国の著作権意識の低さは、一朝一夕に改まるものではない。だが、ポータルサイトのNaverで盗作を非難する大勢のネチズンを見ていると、少しずつ変わり始めているのかもしれない。
 まあ、厳密に言えば、僕もあまり人のことは言えないわけだけど。
 デザイン変えるかな……。

コメント

  1. arukimono より:

    はじめまして。
    僕もこの件は前からとても興味を持っていて、騒動になってから自分のブログでもたまたま取りあげていました。日本ではここまでまったく報道されていない感じですね。個人的にはこういう事に比較的寛容なのですが、そこはやはり立ちはだかる著作権の壁。騒動がどう収束していくのか興味あります。

  2. 四季の歌パクリ疑惑

    韓国の最近の流行歌で「四季の歌」のメロディそのまんまの曲があるんだけど、それがカバーなのかサンプリングなのかパクリなのかが分からず気になっていた。そこで調べてみ…