地下鉄・バスの新しい運賃体系

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 まじめな話。7月1日から地下鉄・市内バスの運賃が全面的に改定される。面白くはないが、ちょっとここで説明してみたい。
韓国鉄道庁のお知らせ
ソウル市内バス公式サイト
(いずれも韓国語)
 地下鉄を含む首都圏通勤電車運賃は利用距離を基準とした運賃となり、12kmまでが基本運賃(交通カード800W、一回券900W)、12kmを超える場合は、42kmまでは6km毎に100W、それ以上は12kmごとに100Wが加算される。
 一般向けの定額券は、6月30日限りで販売を中止。すでに購入したものは使い切るまで利用できる。
 一方バスは、通常の市内バスの場合、距離にかかわらず一回800W(交通カード)。現金の場合は900Wだ。町内バスにあたるマウルバスは、交通カード500W、現金550W。つい3年ほど前まで、地下鉄・バスとも500Wだったのだが、マウルバスの運賃がそれを超えてしまった。
 さて、ややこしいのはバスと地下鉄を乗り換える場合だ。これまでは、1時間以内の乗り換えの場合、後に乗ったバス/電車の運賃が60W割引になった。それが、今後はどうなるか。ざっと説明すると、こうだ。
「乗車するバス・地下鉄双方の乗車距離の合計が10km以下の場合は、最初に徴収した基本運賃800Wのみ。乗車距離の合計が10kmを超える場合は、5kmごとに100Wがかかる。乗り換えは5回まで通算される」
 たとえば、バスに3km乗った後地下鉄に6km乗った場合は、併せて10km以下なので、最初にバスに乗ったときに払った800Wだけで良い。バスに5km、地下鉄に12km乗った場合は、合計17kmなので、800W+200W(超過5~10km分)の計1000W支払うことになる。ただし、別々に支払った場合の運賃を超えることはない。
 ……ほとんど、JRグループの運賃計算の世界。わけわからん。
 そういうわけで、7月からは公共交通を利用する場合は交通カードの利用が前提となる。そのため、これまで銀行などでしか買えなかった交通カードを、地下鉄駅でも販売するなど、旅客の便宜を図るのだそうだ。せいぜい、外国人旅行者にも簡単に購入できるよう、便宜を図ってもらいたい。
 交通カードはたしかに便利だが、こうなると、利用者の負担増をごまかす手段に見えてくる。JRのスイカやイコカもそうだと思うが、タッチ式プリペイドカードは、乗車のたびに運賃を負担しているという感覚に乏しい。そもそも、実質200Wの値上げなのに、突然交通カード利用を基準にして値上げ幅をごまかすなど、とんでもない話である。
 韓国の公共交通運賃は、これまで物価に比べてかなり安く抑えられ、赤字分は税金で補填されてきた。一見安く見えても、実は国民は税金という形で一定の利用料を徴収されていたわけだ。これは高度成長期なら、物流を活性化し経済を刺激するという効果があったが、現在のように経済が成熟すると、税金の負担ばかりが重くなる。かつての日本の国鉄もそうだった。韓国の交通も、利用者負担の原則が図られる時代が来たということだ。
 これらのルールには例外も山ほどあるが、とりあえず今日のところは割愛。今後、このエントリを徐々に充実させていきたい。間違いに気づいた方は、どんどん指摘してください。

コメント

  1. Cherryh's blog より:

    定額券と交通カード

    ソウルの地下鉄のプリカねたが出ていたので、昔を思い出した。 ソウルに最初に行った

  2. Cherryh's blog より:

    定額券と交通カード

    ソウルの地下鉄のプリカねたが出ていたので、昔を思い出した。 ソウルに最初に行った

  3. Cherryh's blog より:

    定額券と交通カード

    ソウルの地下鉄のプリカねたが出ていたので、昔を思い出した。 ソウルに最初に行った

  4. Cherryh's blog より:

    定額券と交通カード

    ソウルの地下鉄のプリカねたが出ていたので、昔を思い出した。 ソウルに最初に行った