日大芸術学部へ

大学へ、卒業証明書を受け取りに行ってきた。
午後3時過ぎに大学へ着くと、正門が閉まっている。警備員が監視をし、なにやら物々しい雰囲気だ。
「日本大学芸術学部入学試験会場」
そうか、今は入試のシーズンだった。
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▲入試期間中は出入りが厳しく制限される
日本大学芸術学部放送学科は2度落第した。国語は抜群の成績だったが、英語がとにかくダメで、いくら勉強しても伸びなかった。それが、ある参考書との出会いで飛躍的に伸び、3度目にしてようやく合格した。それほどまでにこだわる大学だったかと言えば、疑問ではある。
江古田校舎は当時とほとんど変わっていなかった。
教務課へ行くと、窓口の女性がてきぱきと書類を出してくれ、2分で終了。彼女も卒業生だろうが、いったい何歳年下だろう。
僕が3度目の入試を受けてから、もう12年。卒業からも、8年が過ぎた。
しかし、ソウルの大学で2年近くを過ごした僕に、大学の空気は過去のものではない。以前は感じていた「懐かしさ」がどこにもなく、今にも授業が始まりそうな気がした。
帰りに、正門の前で放送学科の教授とすれ違った。さほど親しくはなかったが、学科の副主任だったのでよく知っている。
軽く会釈をすると、教授は会釈を返してから、「さて、誰だったかな」という表情をした。やっぱり、僕はここでは過去の人間のようである。
行きつけだった洋食屋「洋包丁」で遅い昼食。味は全然変わっていなかった。
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▲江古田の町は昔のまま