西新宿のネコ

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▲「くつした」と鼻先がチャームポイント
新宿のワシントンホテルとパークハイアットの間に、古くからの民家が残る一角がある。
そこに、最近友だちができた。僕が家の前でチチッと口を鳴らすと、パタパタ走って出てくる。生後9カ月くらいの、キジネコ姉妹だ。愛されて育っているらしく、とても人なつっこい。エサなんかやらなくても、呼んだ瞬間からゴロゴロ喉を鳴らしっぱなしだ。最近は、膝の上にまで乗ってくる。帰ろうとすると、甲州街道の手前まで追っかけてくるので、名残惜しくて帰れない。
昔から、なんだかネコにもてる。生まれた時からネコと一緒に暮らしてきたから、とくに意識しなくても心が通じるのだろう。銀座に勤めていた頃も、高速道路の高架下に暮らす野良猫一家に慕われたし、相模湖やしまなみ海道、釧路湿原でも初対面のネコにモテた。ついでに言えば、蚊にもモテる。いやあ、人気者はつらい。
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▲いちゃいちゃ中
しかし、韓国ではそれは通じなかった。韓国ではネコは「泥棒ネコ」などと呼ばれ、基本的に嫌そわれ者だ。エサをあげる人もいないから、野良猫たちは痩せて汚く、目つきも悪い。一方日本は、ネコ好きがとても多く、野良猫にえさをやるおばさんもたくさんいる。だからだろうか、日本は野良猫でも毛づやがよく、きれいなネコが多い気がする。どんなに可愛い生き物も、愛情がなければ美しくなれないということだろうか。
今日も、別れがたくて30分も時間をつぶしてしまった。