韓国の旧正月

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▲ソルラル当日は南大門市場もご覧の通り
22日はソルラル、旧正月。韓国では、新暦の正月はあまり祝わず、今でも旧正月が本当の正月だ。前後の3~5日が休みになり、皆こぞって帰省する。今年は、週明けから大雪が降って、帰省ラッシュはそれはそれは大変だったようだ。
去年のソルラルはソウルで迎えた。数日前から、テレビのニュースには高速道路の渋滞や、正月を海外で過ごす人の出国ラッシュといった映像が頻繁に流れる。まさに年末の雰囲気だ。一方、ネットで日本の情報を見ると、そこには何の変哲もない日常が流れていた。「暦」とは人が作ったものなんだな、と実感する一瞬だ。
旧正月当日は、韓国ではどの店も皆休む。開いているのはコンビニとファストフードくらいで、街はしんと静まりかえる。日本も、僕が子どもの頃はそうだった。元旦は祖父母の家へ行く習わしだったのだが、近所の本屋がどこも開いていないので、つまらなかったものだ。コンビニなんて今ほどたくさんなかった時代である。漫画も何もないじいちゃんばあちゃんの家で、楽しみと言えばお年玉とお雑煮、それから「欽ちゃんの全日本仮装大賞」だった。テレビを見てだらだら、だらだら過ごしたものだ。あの頃の気分を、韓国では味わえる。
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▲2003年旧正月、景福宮興礼門広場
友だちも皆帰省し、やることのないソルラルだが、おすすめは景福宮だ。李氏朝鮮王朝の王宮であるここは、旧正月と旧盆には無料で開放される。興礼門の広場にはノリティギ(シーソー)、トゥホ(矢投げ)を始めとする伝統遊具が置かれ、韓服姿の家族連れが大勢訪れる。間違えて旧正月に韓国に来てしまったという人は、景福宮に行ってみよう。寒いが、「お正月」の雰囲気を充分味わえるだろう。