快適なテレビライフを求めて

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今住んでいる部屋はなかなか快適だが、ひとつ問題がある。
それは、テレビの電波の入りが悪いと言うこと。
もともと受験生用のアパートだから、集合アンテナなどあるわけもない。室内アンテナを使わなくてはならないのだが、これの入りが極端に悪いのだ。
とは言え、ここは江戸川の河川敷も近い郊外住宅。周囲にそれほど障害物があるわけでもない。原因のかなりの部分は、このぼろい室内アンテナにあるのだろう。なにしろ赤羽の倉庫の奥で、埃を被って転がっていた年代物だ。
そんなわけで、ドンキホーテに行って新しい室内アンテナを買うことにした。売場へ行くと、1980円であった。思ったより安く、これなら万が一効果が薄くても諦められる。意気揚々とレジに持っていった。
「6279円です」
え?
箱をよく見ると、「ブースタ内蔵」と書いてある。ブースタ内蔵か。弱い電波を、増強してくれるというあれだ。どうやら、1980円というのはブースタ非内蔵のモデルで、箱が似ているので間違えてしまったのだ。いけないいけない。
…まてよ。
室内アンテナというのは、電波が弱いからよく入らないのだ。電波が弱い限り、新品に替えても大幅な感度の向上は望めないかもしれない。その点、ブースタ付きならはっきりとした効果があるのではないか。「てるてる家族」を、ソウルで見たのと同じくらいクリアな映像で見られるかもしれない…。
後ろには、次のお客が並んでいた。迷っている時間はない。僕は財布に一枚だけ入っていた福沢諭吉を取り出し、レジに出した。これで、明日からまっとうなテレビライフを送れる。
意気揚々と帰宅して、早速テレビに取り付けた。ブースタの電源もセットし、アンテナの向きを調整する。
テレビの電源をつけた。
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税込み、6279円であった。